楽茶碗は茶道において欠かせない茶道具のひとつ。「抹茶椀」とも呼ばれます。
茶の湯文化の広まりとともに、日本各地の伝統工芸品の焼き物でも茶道用の楽茶碗がたくさん作られてきました。
今回は、楽茶碗の産地ごとの特徴や選ぶ際のポイントなど、茶道をたしなむうえで知っておきたい楽茶碗の知識について解説し、最後におすすめの楽茶碗もご紹介していきます。
楽茶碗について理解を深めたい方や、茶道用に楽茶碗を選びたい方はぜひ参考にしてくださいね!
京都の楽家から興った手捏ね(てづくね)の軟陶。「一楽二萩三唐津」とも呼ばれ、萩(萩焼)や唐津(唐津焼)と共に茶陶の名器として知られる。
黒樂は黒釉をかけて1,000℃以上の高温で焼成されます。黒樂の釉薬は天然の賀茂川石(かもがわいし)を原料とし、石に含まれる鉄分と焼成後すぐに窯から取り出す「引き出し黒」の技法によって深みのある黒色が得られます。無をあらわす黒は、内に秘めた利休の侘びの精神性をよりあらわしていると考えます。
赤樂は当時の聚楽第(じゅらくだい)付近から採れる黄土「聚楽土」を用いて低火度で焼かれました。真紅ではなくほんのり赤みを帯びた茶系の肌は土そのものの色を連想させます。この色は胎土(もしくは化粧土)に含まれる鉄分の発色とみられ、釉薬は透明に近いもので全体的に素朴な温かみをたたえています。
楽焼茶碗はデリケートなものであり、以下の注意点を守ることが重要です。
手洗いのみの洗い方
食器洗い機の使用禁止
高温や強い衝撃を避ける
直射日光や長時間の湿気にさらさない
薄いペーパーなどで包んで保存する。
これらの注意点を守ることで、楽焼茶碗が長期間美しく使用できますよ。