朝鮮半島李朝(りちょう)時代の前期を代表する陶芸。
日本では一般に三島手(で)、刷毛目(はけめ)ともいう。
名称の由来は、その文様が三島暦(江戸時代に静岡の三嶋大社が発行した暦)の文様に似ていることによるとするのが通説で、暦手(こよみで)ともよぶ。
近年韓国では粉青沙器(ふんせいしゃき)と称している。
慶長年間(1596-1615)初めに始まったと推測される朝鮮半島への注文茶碗の初期の作に、彫三島がある。
15・6世紀の三島の作風をアレンジしたのが彫三島で、この銘木村は数ある彫三島の中でも一流の作風を示している。
この茶碗は彫三島の中でも内、外に花文があり、とりわけ外に花文があるのが珍しいところから外花手とよばれる。
微妙に入り交じる寂びたる釉薬と象嵌模様との対比が鮮やかで、全体におとなしい作風となっている。