千利休の茶の湯の心得を記した「南方録」にも、茶花に関する覚書の一部に、以下のような教えがあるそうです。
花生にいけぬ花、狂歌に、
「花入れに入れざるはちんちやうげ
太山しきみにけいとうの花
女郎花ざくろかうほね金銭花」
(沈丁花、深山樒(みやましきみ)、けいとう(鶏頭)、女郎花(おみなえし)、ざくろ(柘榴)、河骨(かわほね)、金銭花、せんれい花 のこと)
しかし、これも絶対的なものではなく、古い時代には使われていた記録もあったり、また、時代とともに禁花に対する考え方も変わってきているようです。
江戸時代中期の宝永7年(1710)に発行された「増補地錦抄」という、日本最初の園芸図鑑とも言える書籍に、「嶋せうぶ」として記載されており、同一個体であるかを別にすれば、現存する最古の花菖蒲の園芸品種である。